魁(さきがけ)

天誅(忠)組の義挙は、明治維新の魁(さきがけ)とよくいわれる。
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「魁」を辞書で引くと以下のように説明がある。
[音]カイ(クヮイ) [訓]さきがけ
① 人の長となる人。かしら。頭領。首領。首長。首魁。「魁首/巨魁・首魁」〔書経‐胤征〕
② 堂々として大きい。「魁偉・魁傑」
③ 他の者の先頭を行くこと。 他に先んじること。また、その者。さきがけ。
※江戸繁昌記(1832‐36)三「大日本国中、神々仏々、大と没く小と没く、霊を屈して来たり仰ぐ殆ど虚月無し。今其魁為る者を算れば、嵯峨の釈迦、成田の不動〈略〉此れ等是也」 〔漢書‐游侠伝序〕
④ 北斗七星の第一星。「魁星」※和漢三才図会(1712)一「北斗。第一至レ四、名レ魁」
  また、北斗七星の内の箱形をつくっている四星とも。大熊座のα(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)、δ(デルタ)をいう。
⑤ 古代中国の杓子(しゃくし)の一種。
[難読]花魁(おいらん)

もちろん、天誅組については③の意味で使われている。

この日本語の「さきがけ」は本来どういう意味なのだろうか?
8/27(火)の読売新聞の「史書を訪ねて」は『日本書紀』だった。720年に完成しているので来年が1300年の節目の年になる。
その8年前に完成した『古事記』は神様のことが多く書かれている。
古代日本人の世界観では、自分がいるところ(自界)とは別の、神様がいる他界には二つある。
①高天原(たかあまがはら、高い天上の世界)
 天上の世界から、我々の世界に来ることを「天下る」という。
②常世国(とこのよのくに、海のかなたの世界)
 えべっさん(恵比須,恵比寿,戎 )は辺境の地にある神様で、海の向こうから来た。もともとは異民族を指すが、今では大漁をもたらす神、市場の守護神、商売の神様となる。
 
日本では、神様の世界を天上と海の彼方に想定している。
神様が我々の地上には、
高天原の神様は「天下って」、海の彼方からくる神様は「渡ってくる」。
その神様の移動を今では両方とも「お渡り」というようになってしまった。

ところで、
海の向こうの常世国からくる神様が来る場所が、土地の出っ張ったところで、その「先」を御先、「岬(みさき)」と呼んだ。
岬の巨岩や巨木に神様がやってくると考えられ、岬には「やしろ(神様がやってくるときの仮設の住まい)」を作っていることが多い。
兵庫県には、そのやしろは赤穂の坂越(さごし)にある。
有名な西宮のえべっさんは、この近辺で一番大きな出っ張りの和田岬で迎えられている。
海からの神様はまず岬に早くやってくる。
「駆ける」と「走る」は同じ意味だが、普通より早く来ることを、「さきがける」「さきばしり」という。

「さきがける」の古い日本語は、沖縄に残っている。
沖縄では、神様を祀るときに行列を作り、その先頭にいるのが「さだぎ神」で、地域によって先走るを「さだる」という。
先に神様が来る場所は、神様が「さだる」場所という。
九州では、一番長い岬を「さだみさき」という。字は違うが佐田岬や佐多岬と書く。
古い記録では、四国の足摺岬を「さだみさき」と呼んでいた。地方の岬にこの名は多く残っている。

「魁」については、今の僕の関心事は、
塩飽諸島出身の先祖をもつ画家の東山魁夷は、どういう意味で「魁夷」と名乗ったのかということ。

参考:特定非営利活動法人 維新の魁・天誅組
    http://www.tenchugumi.jp/
   田辺真人「お盆と古熊のまつり」

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